東日本最大級の積石塚古墳──須坂市「八丁鎧塚古墳」
鮎川流域に広がる歴史の証
長野県須坂市八町に位置する「八丁鎧塚古墳」は、鮎川流域に点在する積石塚古墳群の中でも特に注目される史跡です。直径25.5m・高さ3.5mに及ぶ1号・2号墳は、東日本最大級の積石塚として知られ、長野県指定史跡にも登録されています。川原石を積み上げて築かれたその姿は、土を盛る一般的な古墳とは一線を画し、重厚かつ美しい円形フォルムが印象的です。
1957年以降の発掘調査では、九州や瀬戸内産の貝で作られた腕輪「釧」や、中国華南産の素材による獅嚙文帯金具などが出土。これらの遺物は、被葬者が西日本の豪族と同等の地位にあり、大陸との交流を持っていた可能性を示唆しています。築造年代も1号墳が5世紀前半、2号墳が5世紀後半、6号墳が6世紀中葉とされ、時代を超えて築かれたことがわかります。
須坂市の八丁鎧塚古墳は、地域の歴史を物語る貴重な文化財であり、古代日本の広域交流を感じさせるスポットです。ブドウ畑の中に突如現れるその姿は、訪れる人々に1600年の時を超えた感動を与えてくれるでしょう。
基本情報
八丁鎧塚古墳(はっちょうよろいづかこふん)
| 住所 | 須坂市上八町 |
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アクセス情報
車でのアクセス
- 上信越自動車道「須坂長野東IC」から約10分
- ICを出て国道403号線を南下し、県道54号線を経由して「八町」方面へ。
- 鮎川沿いの田園地帯に入り、ぶどう畑の中に古墳群が現れます。
- 駐車場有り
公共交通機関でのアクセス
- 長野電鉄「須坂駅」からタクシーで約15分
- 徒歩やバスでのアクセスは難しく、タクシー利用が現実的です。
- 観光案内所「くらっと」があり、レンタサイクルの貸出も可能。
- 自転車利用の場合、古墳までは約4km(所要時間20〜25分程度)。
須坂市の公共交通は市民バスや乗合タクシーもありますが、八丁鎧塚古墳周辺は路線が限られており、観光目的では車や自転車が便利です。秋の果樹園風景や北アルプスの眺望も楽しめるので、ドライブやサイクリングと組み合わせた訪問がおすすめです。






