小池千枝コレクション　世界の民俗人形博物館

須坂アートパークにある「世界の民俗人形博物館」は、服飾研究家・小池千枝氏のコレクションを中心に、世界100か国以上から集められた民俗人形を展示するユニークな博物館です。民族衣装をまとった人形たちは、その土地の風土や文化、生活様式を映し出す小さな文化使者。ヨーロッパの華やかな衣装、アジアの繊細な刺繍、アフリカの力強い造形など、多彩な表現を通じて世界各地の暮らしを垣間見ることができます。展示室を巡れば、まるで世界一周の旅をしているかのような気分に。さらに、日本各地の郷土人形も紹介され、地域ごとの伝統や美意識を感じられるのも魅力です。人形を通じて文化の多様性と人々の暮らしの豊かさを体感できるこの博物館は、子どもから大人まで楽しめる学びの場。須坂版画美術館や歴史的建物園と併せて訪れれば、芸術と文化を一度に味わえる特別な時間を過ごせます。

圧巻の華やぎ ― 三十段の雛飾り

須坂アートパークでは、毎年期間限定で「三十段の雛飾り」が公開されます。高さ約6メートル、段数にして三十段にも及ぶ壮大な雛壇に、千体を超える雛人形がずらりと並ぶ光景はまさに圧巻。江戸時代から現代までの多彩な雛人形が一堂に会し、時代ごとの衣装や表情の違いを楽しめるのも魅力です。華やかな朱色の毛氈に並ぶ人形たちは、春の訪れを祝う雅やかな世界を演出し、訪れる人々を幻想的な空間へと誘います。期間中は、雛人形の歴史や文化を紹介する展示解説も行われ、子どもから大人まで幅広い世代が日本の伝統文化に親しめる機会となっています。須坂ならではのスケールと美しさを誇るこの雛飾りは、春の観光の目玉として多くの人々に愛されており、写真映えするスポットとしても人気です。